人が人を殺す・・・

こんばんは〜。
今日の金沢は日中薄曇で時々激しい雨の天気、
まあ日差しが弱いおかげで、一気に秋が来たかのようなエアコンいらずの涼しい1日でしたが。
市内では夏休みが終わり、今日から学校の子供達がいたようですが、
なんか楽しい夏休みの終わりを象徴するような空模様でしたね(笑)。



で今日は休みなんでもっさりとネットサーフィン、
これを見てました。

Purchase 100 Photographs that Changed the World
『世界を変えた100枚の写真』
(※英語表記のサイトです)

100 Photographs that Changed the World by LIFE - The Digital Journalist

うーん、興味深いですねえ。
語学力ゼロな私で、英語はさっぱり読めない、断片的にわかる単語となんとなくニュアンスで理解という見方でしたが、
そんな英語の文章がわからない身だからこそ余計
「その写真の存在感と世界を変えたといわれるだけのオーラ」
を感じられるように思います。
そしてまた写真という
「静止した‘瞬間’を切り取る」
映像媒体
ってのは、そこにあるがままを永遠にとどめ印象づける力があるなあと。
そういう「切り取った一瞬の印象」がもたらすものは、
昨今のそれこそ戦場の様子からタレントやスポーツ選手の動向までなんでもかんでも撮って垂れ流すメディアの垂れ流し映像(無論その中にだって質の高い・真摯な映像はありますが)の何百時間にも勝るものだと思いますね。



この100枚の写真、リアルタイムで見たことあるのは私もほとんどないですけど、
今20代の若い人たちも、ほとんどがぴんとこない・説明文がなけりゃなんのことかわからない写真が多いでしょうね。
そんな中で、特に私が印象深かったのがこの1枚・・・

Execution of a Viet Cong Guerrilla 1968
〜ベトコンゲリラの処刑〜1968〜

100 Photographs that Changed the World by Life - The Digital Journalist

この写真は無論静止画ですが、この処刑の瞬間はVTRでも残ってるんですよね。
以前に国営放送さんで「映像の世紀」やベトナム戦争のドキュメント番組で放送されたのを見たことがあるので余計に印象に残ってます・・・。
英文で解説がついてますが、Wikiにも説明があります。

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』ーグエン・ゴク・ロアンー
グエン・ゴク・ロアン - Wikipedia

でこの写真の状況を引用で説明すると

1968年2月1日に起きたテト攻勢の最中、サイゴン警察が捕虜として捕らえたベトコン(南ベトナム解放民族戦線)の兵士グエン・ヴァン・レム(阮文歛)を、グエン・ゴク・ロアンが路上で射殺した

銃で撃っているのがロアンさん、後ろ手にに縛られこめかみを撃たれたのがレムさん
という事になります。



無論この写真となにより映像は様々な波紋を呼び、最終的にベトナム戦争終結の要因の一つになったと言っても良いものです(無論これだけでなくほかにも様々な要因がからんでますが)。
なにしろこのショッキングな処刑映像はアメリカのニュース番組で放送されたんですよね。
戦争と言う異常な状況において、特にベトナム戦争という
「非人道的な行為がまかり通った戦争」
においては(ベトナムに限らず、戦争においてはついて回る事ですけど)、
捕虜の処刑ーしかも身内の家族を殺害した相手ーとなればある意味で
「日常的な報復行為としての処刑」
だったのかもしれませんが、
自国の正義って信念が揺らぎ始めていたアメリにとっては
「無抵抗の捕虜を裁判なしで衆目の前で野蛮な方法で処刑する」
という行為は信じられないものだったでしょうね。



実際私も、昔まだ子供の頃ドキュメント番組でこの映像を見た事がありますが・・・はっきり言って
「今のTVの倫理規定だったら放送できない」
ですね。
「明確な人の死の瞬間をあまりに生々しく捉え写し過ぎて」
ますから。
昔はまだ放送倫理規定ってのがゆるい部分があって、放送できてたんだなあと。

「何気ない風に捕虜に歩み寄る男、
つとふいにポケットからまるでタバコでも取り出すかのように拳銃を取り出すと、
静止する間もなく、寸毫の間に捕虜のこめかみに銃を突きつけ引き金を引く、
瞬間ひきつったような・しかめるような捕虜の表情、
作りもののお話で聞く銃声とは明らかに違う、紙袋を破裂させる音を大きくしたような乾いた銃声、
こめかみから吹き出す命の流れ、急所を打たれ明らかに命を失った捕虜の表情」

子供心に芯から寒気と吐き気を伴った気持ち悪さを感じたのをいまだに覚えてます。
人の死というものに立ち会ったことが無かった、身近に存在しなかった戦後世代の私にとって、映像とはいえ
「人の死の瞬間を目撃する」
ってのは、なにか深淵に引き込まれるような怖さを感じました。
「お話やドラマで見てるような嘘っぱちじゃないリアル、
劇的でもなくかっこいい捨て台詞もなく、そうまさにあっさりと呆気なく人の命が絶たれる瞬間」

は常識の外でした。
映像から感じた
「人の死を日常としてしまう戦争という狂気」
への恐怖って感覚も寒気の成分にあったかもしれませんね・・・。



という事で、紹介したサイト、未見の方は是非一度。
印象に残るものが必ずあると思いますよ。
それでは、コンゴトモヨロシク・・・。