散歩の途中で何気なく。

 私は休みの日は愛犬の散歩にいくんですが、通り過ぎた木々から五月蝿いほど蝉の声が響いていました。「夏の定番・風物詩」なんて陳腐な言葉と共に思ったのは「今日は天気悪いとはいえ、外で遊ぶ子供最近少なくなったなあ。」ってことでした。まあ単に私が子供達が遊んでる時間に出くわさなかっただけかもしれないんですが、「これだけ蝉ないてたら網もった子供が2−3人いてもおかしくないだろうに。」と思いました。
 最近「ムシキング」というのが子供達に大人気だそうで、乱暴に言うなら要はカードゲームの昆虫(主に甲虫?)版といったものでしょうか。ポケモン遊戯王なんてのに続くコレクターズアイテムとして大ブームだそうで。私も昔「世界最大のカブトムシ・ヘラクレス大かぶと」なんてのに憧れたりしたんで、なんとなく共感できるんですが、個人的には「とうとうそこまできたか」と考えることでもあります。
 以前にも記述したんですが、3Dは2Dに収束すると言う事で、ホビーは架空世界入手不可能な事象を模倣・変換していわば身近・等身大に具現化するものであり、「ポケモンカード」なんてのは前者であり、「戦車模型」なんてのは後者にあたるでしょう(個人で戦車買える方もいらっしゃるかもしれませんが)。
 そう考えるとこの「ムシキング」というもののヒットは世相を反映してるなあと私は感じるんです。つまり
カブト・クワガタが入手不可能な憧れになってしまった
と言う事です。もちろんこういったムシが身近にいなくなったのは今に始まったことではないですけど。
 過去に記述しましたが、私が子供の頃は身近に生物の存在がありました。住んでたアパートのそばにぶなの林があって、そこでは結構簡単にかまきり・カブト・クワガタが捕まえられました。落ち葉の下にはカブトの幼虫がいて、それを採って来て飼育箱におがくずをいれて成虫まで育てたもんです。友達同士で戦わせたりもしましたね・・・(懐)。
 それが今や、まったくいなくなってしまった・・・。今の子供達はきっとカブトムシは店で買うものだと思ってるんでしょうね。夏はスイカで残った皮はカブトくんになんてのが定番だったんですが・・・。
 今や森・林はコンクリートの柱達にとってかわり、田んぼは住宅地に変わって、そう言う「夏の楽しみ」は幻のように、遥かな記憶のかなたに消えてしまったようですね。
 もう一つ私は今の子供達には「手触りの感覚」というものが無くなりつつあるような気がします。無色無臭のカード・画面上の生き物は餌も手入れも必要無く手間がかからず死ぬ事もない。お金さえだせばいくらでも揃えられて、飽きたら売るなり、棄てるなりしてしまえばいい。保護者も「実際の虫は汚いしどんなばい菌がついてるか分からない」とか「実物は気持ち悪い」なんて理由で歓迎してるようですが・・・。そういう安易さはどうなんでしょうか・・・。そういった世代の子供達が大人になった時、世の中はどうなってるんでしょうか・・・。仮想体・マニュアルに慣れきった世代が実物に対した時どうするんでしょうか?
 あれこれ心配してますが、駄目人間かつマニュアル人間の私が言っても説得力ないんですけどね。それにいうほど心配してない面もあるんで・・・。
 先日法事で親戚の子供が来た時、その子は島根のそれもすごい山奥(田舎の中の田舎:本人談)に住んでるんですが、何気にムシキングの話振ってみたら
「確かに流行ってるけど話題が東京なんかより遅れるし時間差・温度差があるー。それに実物見れるからあんまり興味ナー−−イ。ああいうのは流行でころころ変わるからすぐ消えちゃうかもねーーー。結局みんなあきっぽいから。」
子供の方が分かってら・・・(苦笑)。なんだかんだ心配しなくても子供は子供でたくましく育つもんですね。私は「おじさん」と呼ばれた事のほうが気になってる(笑)んですが。続き柄も「おじさん」なんですが、数年前は「お兄さん」と呼んでくれてたような・・・。ふーーーー。
 そんなとこで、明日から地獄の「お盆ラッシュ」なので今日は早寝するつもりです。それではこれにてコンゴトモヨロシク・・・。
PS:「オラ対オラオラオラオラ」爆笑。あのゲーム欲しいな。買っちゃおうかな。