「世は音に満ちて・・・」

男はエンジンを切ると車を降りた、愛車はスバル製。
エンジン音が静かなところが私のお気に入りだ。
だが最近ガタがきたのか時々機嫌を損ねる事が多くなってきた。
そろそろレストアが必要なのかもしれない・・・。
「車も、人の関係も壊れる時はあっけないもんさ・・・。」
ペットボトルの緑茶をぐびりと飲み干すと、眼前に広がる光景に目を向けた。
「海か・・・・・・。」
無限の大海原、母なる水面、神秘の領域。
そんな使い古した言葉が浮かんでは消える・・・。
‘海’は自分の、人間と言う存在の意味を問い掛けるようにそこにある。
「まあ意味を問う、なんて野暮な事するのは人間という生き物だけだが・・・。」
男は携帯の電源をオフにするとひとりごちた。
人はなにかに迷った時、この大いなる存在、
やがて帰るおおいなる‘海’に答えを探しに来るのかもしれない・・・。
波が打ち寄せる砂浜に降り立つと男はつぶやいた。



「ていうか、なに!!!きたな!!!潮くさッ!!!寒ッ!!!
 ゴミだらけじゃん!!!だれもいねえし!!!情緒のかけらもねえよ!!!」

いやー、すいません。私に情緒的なノリは無理でした(爆)。
ていうか普段からなに言ってるかわかんない奴なんで余計訳わからなくなってしまいました(笑)。



まあでも「海」行って来ました。
ほんと寒くて天気も今一つ。砂浜はキタネーし・・・ぶつぶつ
なんでもかんでも捨ててくんじゃねーよ!!!(怒)
せっかくの気分が台無しになってしまった・・・。



でもまあ人気のない海はそれはそれで良かったですね。
岸壁に腰掛けて、ぼーっとするとなんか落ちつきました。
打ち寄せる波のリズムがすごく心地よくて・・・。
普段の生活の中でいかに自分が
「音に囲まれて生きているか。」
ということ実感しました。
たまにはこういう日々の雑音から開放されて
「波の音しか聞こえない時間」
過ごすのも良いですね。
まあ明日からはまた「雑音の日々」に逆戻りですけどね(苦笑)。