「隣り合わせの灰と青春」隣り合わせの灰と青春―小説ウィザードリィ (集英社スーパーファンタジー文庫)作者: ベニー松山,緒方剛志出版社/メーカー: 集英社発売日: 1998/12メディア: 文庫 クリック: 35回この商品を含むブログ (34件) を見る
タイトル見て分かる方「相当のオールドゲーマー」ですね。ちょっと昨日の続きのような話してみようかと今日は思います。
この本は小説で、所謂「ゲームのノベライズ」というジャンルの 草分け的な存在です。
あらすじを引用しますと
暴君トレボー王が君臨する城塞都市。そこには地下迷宮にいる大魔導師ワードナを倒し、近衛隊にとりたてられようとする冒険者があとをたたない。モンスターとの戦闘に敗れ、仲間の魔法使いシルバーを死なせてしまったスカルダは、より以上の強さを求め戦士から侍に転職した。新しくパーティに加わったのは、呪文をすべてマスターしているという魔法使いバルカン。スカルダはバルカンに邪悪のにおいをかぎとるが…。大ヒットRPG『ウィザードリィ』伝説のノベライズ、待望の文庫化。
という感じで、ちなみにこれはリメイクされた文庫版で1988のオリジナルとは挿絵などが違ってますが。私オリジナル版持ってたんですが、引越しした時に散逸してしまって・・・(泣)。しょうがないんでこれ買いましたが。
いまでこそ
「**のゲーム 待望のノベライズ化」
「あの**の外伝 ゲーム内で語られなかった真実」
なんていう売り文句で
「ゲームのノベライズ本」
というのは氾濫してますが、これが発表された当時は
「ゲームをわざわざ小説化する」
なんてことは一般化してませんでした。それだけになかなか斬新な試みだなと思ったものですが。
内容も結構面白かったんです。(私の主観ですが)ゲームの世界観・ルールを尊重しつつ、ゲームの雰囲気壊さない程度の「エンターテイメント」を盛りこんである。
「ゲーム」のシステム・ハプニング要素を伏線としてうまく取り込んでました。
ゲームの設定を尊重しすぎて「ちょっと、矛盾してるな」「ここは違うな」という所はありましたが、とても面白い
「ウィザードリィ」の「アナザーストーリー」
だったと思います。
こういったスタイルで「作品」のイメージを拡大する・色づけするというのは
「昔の容量が少なくて内容を絞りこまざるを得ないゲーム」
の時代にはすごく面白いものでした。
「説明不足・表現しきれない描写を補完」
する存在として。各人が面白いゲームに出会った時
「これはこうだな・このキャラはこんな性格・この敵はこんな感じ」
なんてことを想像する、勝手に設定考える、
「その1つの例・モデルとなる文章」
って感じで。
「プレイヤー個々人にそれぞれの想像世界がある」
なんて。
こんな風に考えてるとこの間から述べてる
「ビジュアル偏重のRPG」
つまり
「イメージ固定・想像力囲いこみ型RPG」
ってのがつくづく嫌になりますね。
「各人の想像力の形だけ作品世界が存在する」いわば「パラレルワールドがいっぱい」
なのではなく
「制作側の意図した設定・イメージを強制される」
のが現状ですから・・・。それって結局「映画」の見方と同じなんですよね。
「あたえられるだけの愛なんて、いらないっ」
ですね(笑)。
「世界は無限の選択肢・分岐点にみちていて」
欲しいですよね。
こんなところで、ちょっと古い小説の話で、おまけに「ウィズ」のゲームプレイしてないと判りにくい内容なんで「万人向け」ではありません。でも興味ある方は一読を。
それではこれで、コンゴトモヨロシク・・・。